キャンプブームは本当か?

投稿者: | 2019-03-24

私の主力持株にスノーピーク(4380)がありますが、この会社はキャンプ用品の製造販売を手掛けており、このジャンルでは国内唯一の上場企業(※)です。私の所有株の中ではPER40倍と割高感がありますが、魅力ある自社製品群と熱狂的な優良顧客を持っている事を評価し、今年より長期保有目的で買っています。

投資に際し、この会社自体の成長力だけでなく、キャンプ人口が増えている事も私は重視しています。それなりに「市場の成長」という追い風があると踏んでいるわけです。

キャンプブームは本当か?

私自身も10年前くらいからキャンプをするようになり、ここ10年で「キャンプをする人が結構増えているかもしれない」と肌で感じていたのですが、それを裏付ける客観的なデータができるだけたくさん欲しかったので、今年に入ってから色々と調べていました。

その中のひとつに「Googleトレンド」による検索分析があります。Googleトレンドに関してはこれまでの投資銘柄の研究でも度々使っており、現状なかなか役に立つツールだと思うに至っています。

応用範囲も広く使ったことが無い方も結構居そうなので(啓蒙の意味もこめて)これまでの分析の一部を公表してみます。ちなみに検索対象期間は2004年から現在までです。

「テント」「寝袋」「焚火(たきび)」

キャンプ用語で頻出する代表的な上記3ワードについて調べてみたところ、5~7年ほど前から緩やかに右肩上がりになっています。



「テント」に関しては国内製品だけではなく、輸入テントが増大しているというデータもあります。

「寝袋」に関してはやや早い段階から上がっており、グラフを見ると2011年半ばから上がっているようです。思いつくのは東日本大震災の影響です。 実際「今のキャンプブームは震災による影響があるのではないか」という論調で語られることも多くあります。

一部のメディアでは「人々の心が自然回帰への方向に向かっている」という心理的影響を前提としてキャンプブームについての記事が書かれることが多いのですが、単純に「震災の頃、緊急的に買った寝袋やテントが今になって再利用されている」という側面もあるのではないかと私は思っています。

「スノーピーク」

私の持ち株である「スノーピーク」で調べた結果が下記のグラフです。こちらも2013年頃から検索トレンドが上昇しており、キャンプブームの拡大の影響が感じられます。

グラフを見ると2014年9月頃に一度大きく伸びています。マザーズ上場のIPOが2014年12月にあったので「IPO直前に検索した投資家が多かったのだろう」と最初は思っていました。

実はIPO云々よりも検索回数の上がる大きなイベントがあり、 2014年9月にテレビ東京のカンブリア宮殿でこの会社が取り上げられていました。 先月末に何気なくWikipediaのスノーピークの項目を見ていて初めて気づいたのですが、ちゃんと調べないとダメですね。

「コールマン」

コールマンはアメリカ本社の外資系企業で、日本ではコールマンジャパンという会社がブランド展開しています。非上場企業ですので詳細な業績は分かりませんが、キャンプ用品の分野ではおそらく国内ナンバーワンの業績だと思われます。

スノーピークほどではありませんが、ここ数年は緩やかに検索トレンドが上昇しています。スノーピークの上昇と併せて、キャンプブームが緩やかに拡大しているという事実の裏付けになりそうです。


グラフを見ると2011年の4月に一時的に検索回数が上昇しています。実はこれも東日本大震災の影響が考えられます。コールマンという会社は様々なキャンプ用品を扱っていますが、祖業はガソリン式ランプの製造販売であり、現在でもデザイン性の高いガスランタンが主力商品のひとつです。

おそらく震災時の停電で急激に需要が高まったものと思われますが、それを裏付ける「ランタン」という検索キーワードのグラフも併せて掲載します。

「モンベル」

モンベルは1975年創業のアウトドア用品の会社で、社名の響きからパタゴニアやコロンビアのような外資系企業だと思っている人が結構多いのですが、実は大阪が本社にある日本企業です。

この会社はテントやアウトドア食器などのキャンプ用品も多数作っていますが、どちらかというと「キャンプ」というよりも「登山」に寄った商品が多いのが特徴です。

特に、軽量化されたアパレル製品の品揃えが圧倒的で、実に年商800億円の大企業です。利益率の良い直営店やECでの売上比率も高いようで、アパレルを含めた「アウトドア用品専門企業」というジャンルにおいてはおそらく日本一の会社だと思われます。

上記はモンベルとコールマンとの比較グラフになりますが、数年前ではコールマンと争っていた検索数がここ10年程で大きく上回る勢いになっており、今も右肩上がりになっています。

面白いのはコールマンやスノーピークのようなキャンプ用品中心の会社とは違い、キャンプシーズンの夏場よりも冬場に検索数が上がる事です。これはモンベルのアパレル製品が防寒対策用に買われていることを裏付けます。

結論

結論としては「キャンプブームが拡大している」というのは正しいように思われます。急激ではありませんが「じわじわ来ているかも」という実感もあります。

ただ、キャンプブームになればなったで当然新規参入企業は増えるでしょうし、景気が冷え込めば余暇にかけているお金はどうしても少なくなります。私の持ち株であるスノーピークも、競合ブランドより相対的に価格設定の高いブランドなので、そううかうかしてはいられなくなるでしょう。

キャンプという遊び自体は、最初に用具を一通り揃えてしまえば、後はそれほどお金のかからない遊びなので、海外旅行などと違って「不況下に流行る」とも言われています。

この説自体は眉唾だと私は思っていますが、「キャンプ」という非日常的な遊びを通して「人間性を回復する」というスノーピークの経営ビジョン自体は、他の上場企業には無い、ユニークで興味深いビジョンだと思っています。実際、私も実生活に疲れると自然に触れて綺麗な空気を吸いたくなります。とてもいい会社だと思っていますので、頑張って業績を伸ばして欲しいですね。

なお、Googleトレンドが実社会を反映した、非常に面白い投資ツールになり得ることは確かです。投資先の会社名や製品名/サービス名で調べてみると、思わぬ発見があるかもしれません。

(※)ホームセンターのカンセキの子会社がテンマクデザインというブランドでキャンプ用品を若干作っています。

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