流行る投資手法|廃る投資手法

投稿者: | 2019-03-30

株式投資を始めて15年近くになりますが、投資家の間で「低PER銘柄への長期投資こそ有効であり高PERは一種の仕手戦なので買ってはならない」とか「株価は需給で決まるのでそれ以外は無視して良い」とか「今はグロース株の時代で低PBR銘柄はこの先ずっと取り残される」とか、各々の持論を基に論争を繰り広げる光景が常にありました。主戦場となるプラットフォームは様々移り変わりましたが、論争の内容については実はそれほど変わっていない気もしています。

PERやROEやPBR等の指標を用いたファンダメンタル分析や、古典的なテクニカル分析を土台にした投資手法以外にも、 インターネットの情報拡散スピードの高速化に伴って「新たなる投資手法」なるものが日々生み出されています。

会社四季報の先読みを用いたスイング投資。株主優待の権利落ち日前後の需給の歪みを狙った短期投資。スマートフォンアプリのセルランをネタにした局地的な仕手戦。そこそこ有効で地味に生き残っている手法もあれば、投資家の大半が気づいてしまって短期間で賞味期限が終了した手法も当然あります。

ここ15年の相場を俯瞰してみると、特定の銘柄や投資セクターや投資商品にトレンドが存在するように、投資手法自体にもトレンドがあったように感じています。もちろん長く続くトレンドもあれば一瞬で終わるトレンドもあります。そこで今回は前回に引き続き、Googleトレンドを用いた投資手法そのものに関する「トレンド」を見ていきたいと思います。

「バリュー投資」

グラフで見ると「バリュー投資」という言葉が大きくトレンド化したのは2005~2006年がピークで、時期的には旧村上ファンドやライブドアが全盛だった頃にあたります。「会社は誰のものか?」というような論争が盛んに起こり、企業が持つ有形無形の「バリュー」が注目された時期でもありました。

なんとなくではありますが、今年に入ってからのデサントや廣済堂のような敵対的TOBのようなケースを見ていると、ここ数年今一つ盛り上がらなかった「バリュー投資」の流れが、今年から来年にかけて再度盛り上がるのではないかと思っています。特に「現金比率が高く業績が全盛期の頃と比べてパッとしない老舗のIT系企業」に注目しています。

「PBR」

PBR(株価純資産倍率)というワードはドットコムバブル崩壊が起こった2000年代初頭からじわりと上昇トレンドにあったようですが、2008年10月前後に一気にトレンドがピークになりました。

サブプライム問題をきっかけとなったリーマンブラザーズの経営破綻が同年9月15日に起こり、その後の金融危機で株式は世界規模の大暴落になりました。この時期、企業の有形資産の価値を示すPBRという指標が「落ちるナイフを掴みにいく根拠」になっていたのだと想像できます。

「空売り」「ダブルインバース」

「空売り」というワードでトレンドを見ると、2009年以前に何度か瞬間的なトレンドピークがありますが、それ以降はほぼ横ばいになっています。ただ、アベノミクス相場では、かなり弱いながらも緩い上昇トレンドが形成されているように見えます。

空売りが相場を育てる」というのが私の持論ですが、今後もある程度の空売りが入るようであれば、1~2年程度は株式相場はそこそこ堅調に進むと見ています。逆に空売りがいよいよ入らなくなったらそこが相場の終わりかもしれません。

ダブルインバースやSPXSに代表されるようなベア型レバレッジETFはリーマンショック以降にかなり普及しました。現在の相場が危なげながらも大きく崩れないのは、かなりこれらの商品の普及が影響しているように思います。

「デイトレード」「スイングトレード」


ここ数年デイトレードをする人が少なくなってきており、高速取引やアルゴリズムの影響でパフォーマンスが上がらなくなったという話もちらほら聞きます。

逆に、スイングトレードと呼ばれる数日間に渡った短期投資をする人がじわじわ増えてきているようです。スイングトレードの一種だと私は思っているのですが、「四季報先読み」や「新高値ブレイク投資法」と呼ばれる手法を取り入れる投資家さんも多く見かけるようになってきました。

私が投資を始めた頃に比べて明らかに変わったと思うことは「決算書や決算説明書をちゃんと読んでいる人が多くなった」ということです(私のまわりだけかもしれませんが)

加えて、これらの資料を読み込まない人でも瞬時に分かり易く理解できるよう、業績や資産推移が経年変化でビジュアル化された、有益な分析サイトの数が明らかに増え、アマチュア投資家とプロ投資家の情報格差がどんどん無くなって来ているように思います。ここ数年、短期間で大きなパフォーマンスを上げる凄腕の兼業投資家もたくさん生まれていますが、地合いが良かったこと以上に投資ツールが発達したという影響もあると思っています。

「不動産投資」「株式投資」

最後に株式投資と不動産投資との比較です。リーマンショックの頃にトレンドが逆転しているのが印象的です。

「株式投資」というワード単体で検索することはあまり無いと思いますので、この結果をもって何かしらのトレンドを読み解くことは難しいのですが、グラフでもわかる通り株式投資は2005~6年頃に大いに流行りました。「子供がライブドア株を買う」というようなニュースが話題になったのもこの頃です。

パトリック・ケネディという投資家の「 ウォール街の靴磨きの少年が株の話をしているのを聞いたので売り逃げた」という有名な逸話がありますが、確かに普段株を買わない層が買い始めると相場の天井は近いのかもしれません。

今がその時期かどうかはわかりませんが、私は普段会う人に「株式投資ってやってますか?」と聞くことにしています。個人的な印象では過去の相場ほどの全国規模の熱狂は感じられないのですが、皆様の周りではどうでしょうか。

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